トライアングル×3―秘密の三角関係―
第5章 それぞれの理由

1.プロポーズ

あたしは昼休みの亮介のこと、

今の悠のこと、

そのことだけが頭から離れず、教室へ鞄をとりに向かっていた。


そして、あたしの教室には…


「だぁから!なんで理佐んとこくるんだよ!!」
「だって友達になったも~ん」

亮介と伊吹さんがいた。


「っとに…伊吹は…はっ…かわんねぇな!」


亮介が笑う。


「亮介は変わったね…」


伊吹さんはあたしの机に手をおいてそう言った。


「私のことも…マジだったと思ってる。だけど…」


亮介があたしの鞄を掴んで伊吹さんにまっすぐ向き合った。


「…こいつは…なんか…比べられねぇんだ。ほんと、なんでかわかんねぇけど…」
< 176 / 243 >

この作品をシェア

pagetop