トライアングル×3―秘密の三角関係―
ふわっと香るその匂いにあたしは目を開けた。

あたしの横には誰かが立ってる。



「髪…伸びたな」



「ゆ····うッ··!」



人目も気にせずあたしは立って悠に抱きついた。



「ちょっ…あれ…ハルカ!?」
「なんでうちにハルカが!!」
「キャ~ッ!!!!!!」


当たり前のように教室はパニック。

だけど、今のあたしには悠の声しか聞こえない。

悠しか見えない。


「あ、悠……メガネ…」

「ん、もういいんだ」

「きゃっ…!」


あたしをお姫様だっこした悠はあの、前と一つも変わらない俺様な笑みで言った。




「…迎えにきたぜ?」



そして悠はクラスメイトを気にせずにそのままあたしを抱いて教室を出た。
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