パーフェクトキング~俺様なヒーロー~



話すうちに着いたのは、新築っぽい一戸建て。



表札に刻まれた“渡瀬”の文字に、緊張がピークを迎えた。



チャイムを押すと、少ししてから開いたドア。



ひさしぶりに見た私服の先輩に、思わずキュンとする。




「上がって。あ、親いないから」



あ、何だ、いないのか。

親の分も買ってきたケーキは無駄になっちゃったかな?


なんて考えながら、内心ホッとする。



広いリビングで教科書とノートを広げた。



そこでふと思う。



「学年が違うのに一緒に勉強会するんですか?」


「あたしと輝が教えるから大丈夫!」



その言葉に、心底面倒くさそうな顔をした輝先輩は、見なかった事にしよう。



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