パーフェクトキング~俺様なヒーロー~



少し。


少しくらい。


あたしが違う人と帰る事に。


妬いてくれたら嬉しいな、なんて思ってた。




「ああ、じゃあよろしく」


心のモヤモヤは、ますます大きくなる。



どうせなら、1人で帰って、ナンパされて。


そしたら先輩は、あたしの心配してくれる?




そんなバカなことを考えてしまうくらい、



「あたしって嫌な子だ…」



楽しそうな先輩達の背中を見送りながら、つぶやいた。



「篠原?」


「あ、ごめんね…あの、1人でも帰れるから…わざわざ送ってくれなくても大丈夫だよ?」



「送りたいんだよ…今日くらい」



南波くんの言葉の意味は、よく理解できなかったけど。



南波くんと歩いた道は、1人で歩くよりはずっと穏やかに感じた。





< 161 / 305 >

この作品をシェア

pagetop