パーフェクトキング~俺様なヒーロー~



「お前、ウザイ。変な男に捕まってんじゃねぇよ」





ウザイ、か。


変な男に捕まるなんて、あたしにはどうしようもないじゃん。



たった三文字の“ウザイ”が、あたしにどれだけのダメージを与えてるか知らないでしょ?




「ちょっと飲み物買ってくる」


そう言った叶斗は、あたしと真夕を置いて歩いて行った。



やだ、行かないで…。


このままあたしの所に来てくれない気がして。



心の中で叫ぶ声なんて届くはずもなくて。



あたしはいつも心にためこんで。



いつだって伝えられないんだ。





< 284 / 305 >

この作品をシェア

pagetop