Anathema Reaper-呪いの収穫者-

リュカは廉の肩に座り、足を組んだ。
そして、憂いを帯びた瞳で遠くを見つめる。

「……確かにアレはアナタじゃ無かったわ。別物の"何か"ね」

「そうかぁ……」

「だって、あんなに残忍じゃ無いもの。どっちかと言うと、アナタはヘタレね」

「うっさいよ。余計なお世話だ」

リュカのからかいを流し、廉も遠くを見つめる。

すると廉の目の前を、おぼつかない足取りの女子生徒が通り過ぎた。

「……来たか」

唇を舐め、ニヤリと笑う廉。
リュカは彼の横顔を、驚いたような目で見た。

< 104 / 331 >

この作品をシェア

pagetop