Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「ほら!早く首を落とさないと」

「……無理だ」

「何でなの?」

「だって……」

彼は自分のフードに手を伸ばす。
そして、顔に掛かっていたフードを僅かに持ち上げた。

「だってって何よ?」

状況が読めず、しつこく廉に問い質す。
彼はリュカの方を見ず、小さく呟いた。

「――楓だから……」

「……え?」

リュカの動きも止まる。
彼女は女子生徒の顔をまじまじと見つめた。

「言われてみればそうかもしれないわね」

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