Anathema Reaper-呪いの収穫者-
*
「――さて、最後は佐藤、お前だけだ」
リュカがせっせと癒しの呪文をかけている間、正紀は楓に向かって言い放った。
今までポカンとしていた彼女だったが、彼の言葉を聞くなり目を三日月にした。
「そっかぁ……私だけ、ね」
「そうだ。とっとと観念しろ」
何の躊躇も無しに、正紀は楓に銃を向ける。
そんな彼を、廉は複雑そうな面持ちで眺めていた。
なぜ、アイツはためらいもなく彼女に凶器を向けられるのだろうか。
口を曲げる廉。
そんな彼に正紀の声が掛かる。