Anathema Reaper-呪いの収穫者-



「――さて、最後は佐藤、お前だけだ」

リュカがせっせと癒しの呪文をかけている間、正紀は楓に向かって言い放った。

今までポカンとしていた彼女だったが、彼の言葉を聞くなり目を三日月にした。

「そっかぁ……私だけ、ね」

「そうだ。とっとと観念しろ」

何の躊躇も無しに、正紀は楓に銃を向ける。
そんな彼を、廉は複雑そうな面持ちで眺めていた。

なぜ、アイツはためらいもなく彼女に凶器を向けられるのだろうか。

口を曲げる廉。
そんな彼に正紀の声が掛かる。

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