Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「それでも無理だよ……だって……」

「……じゃあ、お前は大切な友達を見殺しにするのか」

「……」

目をつり上げ、正紀はぶっきらぼうに言った。
廉は唇を噛み締め、その場から動こうとしない。

「リュカがいる限り、佐藤は死んだりなんかしない。今ここでお前がやるべき事をやらないと、アイツは確実に死ぬ」

「……」

「それでも刈ることを拒否するのか?」

正紀の言葉が廉の胸の中をぐるぐると回る。
自分のやっていることが、正しいのかどうなのかも分からなくなる。

やがて、彼は正紀の隣に立ち、鎌を持ち直した。

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