Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「まぁ、そう驚くなって」

「無理言うなよ!驚くに決まってんじゃん!」

「騒ぐと傷が痛むよ」

「ぐはっ……」

正紀に指摘され、廉は思い出したように腕を押さえた。
リュカが癒しの呪文をかけてくれたが、大して効果は無いようだ。

「ほれ見ろ」

「うるさいなー」

しれっとする正紀に、苦笑いをする廉。
そんな彼らの元に、リュカがそろそろとやって来た。

「一応治しといたわ」

「治してもらわなきゃ困る」

「……」

廉の言い種に腹を立てたリュカは、無言で彼の腕を踏んだ。

微量な力だが、やはり踏まれると痛い。
彼は顔を歪めた。

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