Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「正紀、と言ったわね。よろしく」

「こちらこそ」

目を垂れ、正紀は優しそうに微笑む。
そんな彼に、廉は怨恨の視線を向けた。

「騙されんなよ!コイツ、リュカの事呼び捨てにしてたんだぞ!」

「状況が状況だから、仕方ないわよ」

「リュカ!!」

「まったく、アナタも彼を見習って欲しいわ」

リュカは困ったように、自分の頬にちょこんと手を添える。
廉はしょげたような顔になり、そっぽを向いた。

廉に構うことなく、二人の話は非情にも進んでいく。

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