Anathema Reaper-呪いの収穫者-
楓の言い様に、思わずムッとする。
廉の目が少しつり上がった。
「どうせオレは遅れてますよー!」
「そんなにしょげないで。ちゃんと説明するから」
楓はやれやれという風に首を振ると、指をピンと立てて説明を始めた。
「最近、ここの市でよく見えるんだ。
真っ黒いローブに真っ黒い大鎌。ローブにフードがついているせいか、顔は見えない。
その死神の顔を見た人は、幸せになれるらしいよ」
「死神なのに?」
正紀がクイっと眼鏡を上げる。
楓はコクリと頷いた。