Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「まぁ、憑かれた理由や石板はともかくとして……」

正紀は隣のベンチに視線を移した。
つられて廉も横を見る。

「今は佐藤をどうするかを考えるべきだ」

「確かに」

楓はぐったりとした様子で、ベンチに横たわっていた。

いつもなら魔法を掛けてそのまま放置しているが、今回ばかりはそう言うわけにはいかない。
女子高生、知り合いとなれば尚更だ。

廉は立ち上がり、楓を覗き込んだ。
そして、正紀の方を向く。

「起こして連れて帰ろうか!」

「お前さ、今の自分の格好見てみろよ。どう考えたって無理だろ!」

「じゃあどうすんだよ!」

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