Anathema Reaper-呪いの収穫者-
「何だよ。文句あんのか?」
「お前は楓をおぶって奴ん家ピンポンすんのか」
「そうだけど」
「んな事したら勘違いされるじゃんか!」
廉はゆでダコのように顔を真っ赤にさせ、正紀を見る。
廉の言いたいことを理解した正紀は、小さくため息をついた。
「それじゃあ、佐藤ん家の玄関前にでも置いとくか」
「それでいいと思う」
必死に頷く廉。
頬はまだほんのりと赤い。
正紀は楓を背負い、廉の方を向く。
「……そう言えば、佐藤ん家知らないや」
「オレ知ってるよ!」
困り顔の正紀に対し、廉は嬉しそうに右手を挙げた。
「どこだよ?」
「オレん家の隣!」
「……は?」
正紀の動きが止まった。