Anathema Reaper-呪いの収穫者-

古の伝説


「はぁ……」

口から漏れるは、ため息ばかり。

翌日、廉は白い字でいっぱいの黒板をぼんやり見つめていた。

授業中。
いつもの事だが、集中できるはずがない。

昨日は色々とありすぎた。
楓との死闘、正紀の登場。
リュカさえいなければ、これは夢だと言い聞かせられるのに。

「はぁ……」

もう一度、彼は深くため息をついた。

窓の桟にはリュカが座り、彼女もまたぼんやり窓の外を見ていた。

そんな冴えない顔をしている廉の机の上に、紙飛行機が飛んできた。

周りを見回すと正紀と目が合う。
廉は何も言わずに紙飛行機を開いた。

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