Anathema Reaper-呪いの収穫者-
『ずいぶんと暇そうだな。
後でリュカも交えて話したいことがある』
正紀にしては、何とも間接的で回りくどい言い方だ。
廉は目を開き、正紀を見る。
何やら真剣にノート取っていて、廉の視線に気付く事は無かった。
教室内を徘徊している先生と目が合う。
廉は慌ててシャーペンを持った。
「……挙動不審よ」
『うるさい』
リュカに指摘され、ノートに返事を書く。
リュカは窓の桟から降り、廉のノートにちょこんと座った。
「この子……何か知ってるのかしら?」
『さあな。正紀の考えてる事は分かんない』
筆を走らせ、頬杖をつく。
廉は考えることを止めた。