Anathema Reaper-呪いの収穫者-
*
「――お前さ、何か最近おかしくないか?」
校舎の東にある赤階段。
その色からか、あまり人が寄り付かない。
昼休み、正紀は廉を呼び出し、おもむろに口を開いた。
「はぁ?何言ってんだよ」
廉の口から出るのは、呆れたため息。
しかし、正紀は違うと言う風に首を振る。
「何か……雰囲気が違うんだよな」
「どんな風に?」
「今はいつも通り変だけど……」
「オイ!それも十分失礼な発言だぞ!」
ムスッとした顔になる。
リュカは階段の手摺に座り、不思議そうに正紀を見た。
「例えば、どんなところ?」
「そうだな……顕著に出てたのは、昨日の夜だと思います」