Anathema Reaper-呪いの収穫者-



「――お前さ、何か最近おかしくないか?」

校舎の東にある赤階段。
その色からか、あまり人が寄り付かない。

昼休み、正紀は廉を呼び出し、おもむろに口を開いた。

「はぁ?何言ってんだよ」

廉の口から出るのは、呆れたため息。
しかし、正紀は違うと言う風に首を振る。

「何か……雰囲気が違うんだよな」

「どんな風に?」

「今はいつも通り変だけど……」

「オイ!それも十分失礼な発言だぞ!」

ムスッとした顔になる。
リュカは階段の手摺に座り、不思議そうに正紀を見た。

「例えば、どんなところ?」

「そうだな……顕著に出てたのは、昨日の夜だと思います」

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