Anathema Reaper-呪いの収穫者-
「え……何か変なこと言った?」
「いや、そう言うわけじゃ無いんだけど……」
言葉を濁し、廉から顔を背ける。
リュカの方を向けると、彼女は困ったように小さく笑った。
そして、彼女はおもむろに右手を挙げ、小さく振った。
光が溢れ、廉の足元に一冊の茶色い古びた本が落ちる。
彼はそれを拾い上げ、表紙を開いた。
何だか見たこともない文字で書いてある。
石板で見た字と同じだ。
「……読めない」
「あ、ごめんなさい」
リュカは二人の前に立ち、両手を振った。
溢れ出る光に目が眩み、思わず目を細める。
少しすると、その光はリュカの手に吸い込まれるようにして消えていった。