Anathema Reaper-呪いの収穫者-
「これで大丈夫なはずよ」
満足そうに頷くリュカ。
廉はもう一度、本に視線を落とした。
「……アイリス古文書?」
「そうよ。私達の間で言われている、伝説が書いてあるの」
「どれどれ……
『人が悪意の塊 百集めし時
その者は 同じ悪魔へと
成り果てるだろう
それを止めるには――』」
廉は本を閉じた。
若干顔色が優れない。
首の壊れた人形のようにカクカクとしながら、リュカの方に顔を向ける。
「……何コレ?」
「伝説」
「そうじゃねーよっ!」
廉は目を吊り上げ、リュカを睨んだ。
その迫力にリュカが若干怯む。
「お前……オレが悪魔になるかもしれないってのを分かっていながら、オレに魂刈らせてたのかよ!?」