Anathema Reaper-呪いの収穫者-
「そう言う訳じゃないわよ!」
「でも、コレを知ってるってことは事実だろうが!」
「そうだけど……」
「なぁ、お前は一体何がしたいんだ?オレの呪いを解く、それだけが目的じゃ無いんだろ?」
「……」
リュカは黙り込んでしまった。
二人の間に気まずい沈黙が訪れる。
「……もういい」
廉は鼻息を荒くし、赤階段を去っていった。
その場に取り残されたリュカと正紀。
彼女は苦悶の表情を浮かべた。
「私は……」
「思い悩む事は無いですよ。俺が何とかしてきます」
「でも……」
「今ここで貴女が行ったところで、話はややこしくなるばかりです」
「……そうね」
リュカは正紀のYシャツのポケットに入り込んだ。
そして、二人もその場を後にした。