Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「そう言う訳じゃないわよ!」

「でも、コレを知ってるってことは事実だろうが!」

「そうだけど……」

「なぁ、お前は一体何がしたいんだ?オレの呪いを解く、それだけが目的じゃ無いんだろ?」

「……」

リュカは黙り込んでしまった。
二人の間に気まずい沈黙が訪れる。

「……もういい」

廉は鼻息を荒くし、赤階段を去っていった。

その場に取り残されたリュカと正紀。
彼女は苦悶の表情を浮かべた。

「私は……」

「思い悩む事は無いですよ。俺が何とかしてきます」

「でも……」

「今ここで貴女が行ったところで、話はややこしくなるばかりです」

「……そうね」

リュカは正紀のYシャツのポケットに入り込んだ。
そして、二人もその場を後にした。

< 154 / 331 >

この作品をシェア

pagetop