Anathema Reaper-呪いの収穫者-



教室に戻り、一息つく。

あの伝説が本当だとすれば、廉は危ないところまで来ている。

いっそのこと、このまま投げ出してしまおうか。
一生この街から出られなくても、生きていくには支障はないかな……

廉はもう一度、古文書を開いた。

勢いで持ってきてしまったモノ。
どこかに救済処置は無いかと探すも、それらしいことは載っていなかった。

すると、突然目の前に影が差した。

「――なーにしてんのっ?」

「か、楓っ!」

廉は慌てて本を閉じ、机の中に突っ込んだ。
それを楓は、いつもと同じ屈託の無い笑みで見てくる。

彼女は正紀の席に腰掛け、おもむろに口を開いた。

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