Anathema Reaper-呪いの収穫者-
*
教室に戻り、一息つく。
あの伝説が本当だとすれば、廉は危ないところまで来ている。
いっそのこと、このまま投げ出してしまおうか。
一生この街から出られなくても、生きていくには支障はないかな……
廉はもう一度、古文書を開いた。
勢いで持ってきてしまったモノ。
どこかに救済処置は無いかと探すも、それらしいことは載っていなかった。
すると、突然目の前に影が差した。
「――なーにしてんのっ?」
「か、楓っ!」
廉は慌てて本を閉じ、机の中に突っ込んだ。
それを楓は、いつもと同じ屈託の無い笑みで見てくる。
彼女は正紀の席に腰掛け、おもむろに口を開いた。