Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「ねぇ、相談があるんだけどいい?」

「何だよ?」

廉は椅子に座りながら窓にもたれ、楓の方を向く。
彼女は神妙な面持ちで話し出した。

「私ね、昨日何してたのか分からないんだ」

「そ、そうなの?」

「うん。気が付いたら、自分家の玄関前に座ってた」

「そうなんだ……」

「どうしてかな?」

嫌な汗が吹き出す。
ここで変なことを言ったら、強く問い詰められるだけだ。

廉は言葉を慎重に選び、返答する。

「そんなのオレにも分からないよ。第一、お前昨日風邪で学校休んでたじゃん」

「風邪で学校休んでたの?」

「って担任は言ってたけど」

「そっかぁ……」

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