Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「でもね、昨日目が覚めたら玄関前に座ってたんだ……ってこんなこと、榊くんに話したってどうにもなんないよね」

自嘲気味に笑う楓。
正紀は首を横に振った。

「そんな事は無いと思うけど……」

「えっ?原因分かるの?」

「恐らく、夢遊病ってヤツだと思う」

「夢遊病!?」

廉と楓が同時に声を上げる。
それに動じず、正紀は静かに頷いた。

「寝てる間に何かしてて、目が覚めても何をしていたか全く覚えていない。そっくりじゃないかな」

「確かに……」

腕を組み、楓は唸った。
廉は呆然と正紀を見る。
彼は顎で彼女を指した。

「そ、そうだよ!多分、夢遊病だよ!」

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