Anathema Reaper-呪いの収穫者-

正紀はそれを受け取り、眼鏡を押し上げる。
彼が本を開くと、中からヒラリと何かが落ちてきた。

「……何だコレ?」

廉はそれを拾い上げ、しげしげと見つめる。
正紀の方から、小さな女の子の声が聞こえてきたが、廉の耳に入ることは無かった。

「……確かに救済措置は載ってないな」

正紀は本をパラパラとめくり、小さく呟いた。
廉も正紀の言葉を肯定する。

「しかもさ、伝説のページ破けてるんだよ?肝心な所で!」

「まぁ、よくある話だよな。本はもっと大切にしなきゃいけない」

「教科書で人の頭殴ってる奴がよく言うよ」

フンと鼻を鳴らし、廉はそっぽを向く。
正紀は苦笑いを浮かべ、困ったように頭を掻いた。

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