Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「さぁ……
俺のばーちゃん、死ぬ前日に変なこと言ってたんだよ」

「変なこと?」

「『もう一人の私が呼んでる』って」

「……!」

廉がピクリと反応する。
正紀はそれをチラリと見ると、小さくため息をついた。

「やっぱりお前もそうなのか……」

「いや、違う!」

廉の声が自然と大きくなる。
否定するも、明らかに動揺しているのが分かった。

「……まぁ、いいや。とにかく、お前も気を付けろよ」

「分かった」

廉は頷くと、本から落ちた細長い紙を開いた。
それを正紀が覗き込む。

「何だコレ?」

「催促状だって。本の中から落ちてきた」

「1ヶ月前のだな」

「まだ返してないのか」

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