Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「何でそんなに怪我するの?」

「え?そりゃあ、スッ転んだり、兄妹喧嘩したりしてるからだけど……」

「もっと自分の身体は大切にしてね」

「う、うん」

突然の事で、しどろもどろになる。
蘭は廉の腕に優しく手を置くと、泣きそうな声で呟いた。

「このまま怪我し続けて、清水くんが死んじゃったりしたら……」

「いやいや!さすがにそれはないから!!」

困ったように笑い、慌てて否定する。
それでも彼女の顔は晴れない。

「……もしかして、心配してくれてた?」

「……うん」

蘭は彼から目を反らし、少し恥ずかしそうに俯いた。

廉は腕に置かれた彼女の手を取り、ニッコリと笑った。

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