Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「うーん……まだ治りそうもないね」

「そっか……いい加減、邪魔だから取りたいんだけどさ」

「まだダメだよ」

「だよなー」

少し顔をしかめる。
蘭はクスッと笑い、処置を続ける。

会話が途切れ、二人の間に沈黙が訪れる。
ふと、蘭がモジモジしながら口を開いた。

「ねぇ、清水くんってさ、楓ちゃんと付き合ってるの?」

「え?」

また唐突な質問。
廉は首を振る。

「違うよ!何でまたそんな事?」

「いや……だって、下の名前で呼び合ってるから」

「あー……」

廉は少し困ったように笑い、説明を始めた。
何故か言い訳をしているような気持ちになる。

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