Anathema Reaper-呪いの収穫者-
「アイツ、オレん家の隣なんだよ。中学ん時にアイツが越してきたから、別に幼なじみってワケでも無いんだけどさ」
「そうなんだ」
少し安心したように、蘭がため息をつく。
そして彼女は処置していた手を止め、意を決したように廉に言った。
「あのさ、私も、その……清水くんの事、下の名前で呼んでいい?」
「え?」
いきなりの事で、戸惑いの色を見せる廉。
蘭は頬をほんのりと赤く染め、真摯な目で廉を見てくる。
彼は頬を緩めると、首を縦に動かした。
「いいよ。山吹さんの好きにしてくれれば」
「ありがとう!」
蘭の顔がパアッと明るくなる。
そして、再び手を動かし始めた。