Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「聞いたところで、理解できないけどね!」

今まで神妙な面持ちだった廉の顔が、一気に崩れる。
正紀は眉を寄せ、廉の向こう脛に蹴りを入れた。

「痛ェよ!!」

「うるさい。開き直るな」

「分かんないモンは分かんないし!」

「だったら少しくらい考えろよ」

涙目になる廉の脛に、もう一度蹴りを入れようとする。
廉は「アイツ、最近バイオレンスだよな……」などと呟いている。

脛をさする彼に向かって、正紀は指を立てて言った。

「一つ分かることがある。カトレアは、花の名前だって事だ」

「そうだな……それで?」

「いや、それだけ」

「……」

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