Anathema Reaper-呪いの収穫者-

つまり、何にも分かっていないと。

廉は正紀の向こう脛を、鎌の柄で叩いた。
途端に正紀が呻き、廉を睨む。

「何すんだよ!」

「うるせー!!さっきのお返しだ!」

「何だと?やんのか!?」

「上等だコラァ!!」

正紀が跳ねるように立ち上がる。
それに合わせ、廉も勢いよく立ち上がった。

睨みを利かせ、お互いに威嚇し合う。

傍観していたリュカは呆れたように動き出し、火花が飛び散る二人の間に入った。

「破!!」

二人に手を向け、呪文を放つ。

呪文を真正面から食らった二人は、勢いよく後方へ吹っ飛び尻餅をついた。

「イッテェ……何すんだよ!」

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