Anathema Reaper-呪いの収穫者-

レンの言葉が合図となった。
正紀は拳銃をもう一丁抜き出し、レンは正紀に駆け寄る。

「ちょ……止めなさい!!」

リュカが叫ぶ。
だが、二人の耳には届いていないようだった。

正紀は銃の引き金に指を掛け、引こうとした。
しかし、何故か指が動かない。

銃を持つ手が震える。
レンは意地悪そうに笑い、鎌の背で正紀を突き飛ばした。

足が縺れ、後ろへ転ぶ。
殴られた腹が痛い。

そんな彼にレンがゆっくりと歩み寄る。

「君がオレを撃つことなんてできないよな。だって、これは廉の身体。
親友を傷付けるなんて、できるはずがない」

「……っ」

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