Anathema Reaper-呪いの収穫者-

悔しそうに顔を歪め、ヨロヨロと立ち上がる。
レンに拳銃を向けるも、最後の一歩が踏み出せない。

「君さ、迷惑なんだよね。廉の周りをうろちょろしてて。これじゃあ、オレが干渉できない」

「お前……!」

「もうこの際、廉だとかそうじゃないとかどうでもいいや」

「投げやりだな!」

「別にいいじゃん」

レンは相変わらず、口許に笑みを浮かべたままだ。
そのまま、正紀に寄ってくる。

このままじゃ自分が殺される。

正紀は覚悟を決め、引き金を引いた。
しかし、弾はレンに当たることなく、街頭のポールに当たった。

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