Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「ほら、やっぱり君には撃てない」

「うるせぇ!!」

「正紀……口では色々と言ってるけど、思いやりがあって優しいんだね。でも、それは時として仇となる」

「……」

「ほら、もう一度撃ってみなよ。廉を取り戻したいんでしょ?」

両手を広げ、正紀を見下したような目で見る。
大鎌のルビーがキラリと光った。

レンの挑発に乗り、正紀は拳銃の引き金に指を掛ける。

このまま撃ってしまおうか。
でも、果たしてそれでいいのか?
レンは消えるかもしれないけど、廉の身体に傷がつく。
治るとはいえ、やはり友達の身体を傷付けるのには抵抗がある。

「……」

正紀は銃を下ろし、地面を睨み付けた。

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