Anathema Reaper-呪いの収穫者-
さっきは勢いに任せて発砲した。
しかし、もう一度それをする度胸はなかった。
「うん……君は優しい。そして、弱い」
腕を下ろし、正紀の正面に立つ。
その手には、しっかりと大鎌が握られていた。
レンが発する言葉はじわりじわりと、正紀の心の奥から抉っていく。
戦い方も、話すことも全てレンの方が上に感じた。
「何やってるのよ!死ぬわよ!!」
リュカが叫び、正紀とレンの間に入る。
彼女はレンを睨み付け、両手を前へ出した。
「アナタが誰でも構わない。だけど、廉や正紀を巻き込むのは止めてちょうだい」
「魔女の存在に惑わされ、名前を言うことすら尻込みするような妖精になんか言われたくないね」
「……うるさい」