Anathema Reaper-呪いの収穫者-

赤い血が肩から流れ、レンの体勢が崩れる。
その隙に、正紀がタックルを仕掛けた。

縺れるように転ぶ二人。
正紀はレンに馬乗りになり、レンの額に銃を突き付けた。

「次は……殺す」

「あれ?いいの?親友の身体なのに」

自分の身に危険が迫っているのに、何故かレンは余裕の笑みを浮かべて正紀を見上げている。
その事が更に正紀を腹立たせた。

「うるさいっ……!」

「ハハハッ。結局、強がることしかできないんだね」

「そんなことない!!」

レンの言葉を真に受けていたら身が持たない。
分かっていながらも、反論してしまう自分にも苛立っていた。

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