Anathema Reaper-呪いの収穫者-

リュカは肩の傷口に埋まっている弾を魔法で取り除き、癒しの魔法をかけ始めた。

やがて、今まで動かなかった彼がゆっくりと目を開けた。
すかさずリュカが手を、正紀が銃口を彼に向ける。

「え?何でそんな怖い顔してんだよ?」

「……お前、誰だよ」

正紀が静かに問い掛ける。

「嘘だろ!?お前さ、友達の顔まで忘れちゃったワケ?」

「……はぁ」

廉だった。
正紀は拳銃を下ろし、ホルスターの中に収めた。

廉は身体を起こす。
途端に右肩に激痛が走った。

「いっ……」

「まだ動いちゃダメよ」

リュカがしげしげと廉を覗き込む。
彼は不思議そうな顔をした。

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