Anathema Reaper-呪いの収穫者-
「何かあったの?」
「いや、まぁ……ああ」
歯切れが悪くなる正紀。
廉は更に不審そうな顔をした。
「と、取り敢えず、今日はもう帰ろうか」
「オイ!」
廉を無視し、正紀はスタスタと歩き始めた。
廉も慌てて立ち上がり、彼の後を追う。
彼の肩を引っ張り、引き留める。
「何かあったのかよ?」
「……」
廉から顔を背ける。
何も答えようとしない。
「……どうせ、アイツだろ」
「……あ?」
口を閉ざす正紀に呆れ、廉はその場を去っていった。
「あの子、何か知ってるわね……」
誰に言うでもなく、リュカがボソリと呟いた。