Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「何かあったの?」

「いや、まぁ……ああ」

歯切れが悪くなる正紀。
廉は更に不審そうな顔をした。

「と、取り敢えず、今日はもう帰ろうか」

「オイ!」

廉を無視し、正紀はスタスタと歩き始めた。
廉も慌てて立ち上がり、彼の後を追う。

彼の肩を引っ張り、引き留める。

「何かあったのかよ?」

「……」

廉から顔を背ける。
何も答えようとしない。

「……どうせ、アイツだろ」

「……あ?」

口を閉ざす正紀に呆れ、廉はその場を去っていった。

「あの子、何か知ってるわね……」

誰に言うでもなく、リュカがボソリと呟いた。

< 211 / 331 >

この作品をシェア

pagetop