Anathema Reaper-呪いの収穫者-
深いため息をつく。
どんどん廉の顔が暗くなっていく。
『ってか、前にも似たような話したよな?』
「そうね」
シャーペンをクルクル回し、窓の外を見た。
廉の心とは裏腹に、空は青く澄み渡っている。
「はぁ……」
もう一度、ノートに目線を落とす。
「おはよ」
肩を叩かれた。
廉は驚いたように振り返る。
「勉強してたの?珍しい事もあるんだね」
「失礼な!オレだってやる時はやるよ」
廉の反応に、蘭がクスクスと笑う。
廉はさりげなくノートを閉じ、彼女の方を向いた。
「今日は早いんだな」
「うん!ちょっと、ね」
正紀も来ていないこの時間。
教室には、朝練に来ている生徒のカバンが放り投げてあるだけだった。