Anathema Reaper-呪いの収穫者-
「廉くんも早いんだね」
「まぁ、うん。たまたまだよ」
レンに指摘されたせいか、蘭と話すことに罪悪感が生まれる。
彼は蘭から目を逸らした。
「どうしたの?」
そんなことを知らない蘭は、不思議そうに彼の顔を覗き込む。
廉は首を横に振った。
「何でもないよ」
「嘘。何でもないハズがないよ」
「何でそう思うんだ?」
廉が訊くと、蘭が自分の目を指差した。
「目。クマができてる」
「あー……」
彼は困ったように笑い、目を擦った。
だからと言って、クマが取れるわけではない。
「大丈夫?」
「大丈夫!ちょっと寝不足なだけだから」