Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「廉くんも早いんだね」

「まぁ、うん。たまたまだよ」

レンに指摘されたせいか、蘭と話すことに罪悪感が生まれる。
彼は蘭から目を逸らした。

「どうしたの?」

そんなことを知らない蘭は、不思議そうに彼の顔を覗き込む。
廉は首を横に振った。

「何でもないよ」

「嘘。何でもないハズがないよ」

「何でそう思うんだ?」

廉が訊くと、蘭が自分の目を指差した。

「目。クマができてる」

「あー……」

彼は困ったように笑い、目を擦った。
だからと言って、クマが取れるわけではない。

「大丈夫?」

「大丈夫!ちょっと寝不足なだけだから」

< 218 / 331 >

この作品をシェア

pagetop