Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「あのさ、腕の傷も見せてもらっていい?」

蘭が恐る恐る訊く。
彼は頷き、ワイシャツを捲った。

アザの治りは遅い。
まだ青く、痛々しい感じが残っている。

「こっちはまだダメだね」

「治りおっそいなー」

「そりゃあそうだよ。だってアザだもん」

蘭がパシンと廉の腕を叩く。
彼は小さく呻く。

「いってぇ!」

「アハハ。ごめんね」

軽く笑い、廉の手を握る。
彼は不思議そうに蘭を見た。

「目閉じて」

「え?何で?」

「いいから!」

「ハイハイ」

蘭の言われた通り、目を閉じる。
ついでに、意識を奥に集中させる。

『やっぱりね』

レンの嘲笑うような声が、廉の頭に響いた。

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