Anathema Reaper-呪いの収穫者-
「もしお前の理性が吹っ飛んだら、国語辞典で殴ってやるよ。もちろん角で」
「やめて!そんな事したら、オレ死んじゃう!」
「大丈夫。脳細胞が死ぬだけで、お前は死んだりしないから」
「いや、そう言う問題じゃ……」
ハァ、と大げさにため息をつく。
鎌を握り直し、フードを深く被った。
他愛の無い会話をしているうちに、街の外れまで来てしまった。
三人の前に、廃工場が立ちはだかる。
工場内に電気が通っている様子もない。
近くの街頭がチカチカと光る。
「あちゃー、引き返すか」
不気味な雰囲気を漂わせている工場。
少し怖くなり、廉は踵を返した。