Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「何かカワイイ……」

「言ってる場合か!」

正紀が鋭いツッコミを入れる。
廉が子供を抱き上げようと手を伸ばした。

「うわっ!」

その途端、廉の足に絡み付くようにいくつもの手が床から伸びてきた。
幼子は足に抱き着きながら、廉を見上げる。

その目は赤く、三日月のように細くなっていた。

すかさず正紀が弾丸を、リュカが魔法を子供に撃ち込む。

「廉!!」

二人が同時に叫ぶ。

容赦無い攻撃に動揺しながらも、廉は転がる幼子の首に鎌の刃を当てた。

勢いよく鎌を振る。

首を無くした幼子は、夜の闇に溶けるように消えていった。

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