Anathema Reaper-呪いの収穫者-

『……伍』

まただ。
頭の中を、少女の声が支配する。

「た、助かった……」

正紀が銃を下ろし、ホッとしたように息をつく。
そんな彼の背中を廉が叩いた。

「安心するのはまだ早いよ」

「分かってる」

弾倉を開け、空の弾を出す。
そして、新たな弾を装填する。

その後、正紀は廉の顔をまじまじと見た。

「お前さ、何でそんなに楽しそうなんだよ?」

「だってコレ倒せば、呪い解ける!」

「何か生き生きしてんな」

「当たり前じゃん!」

手をグッと握り、目をキラキラとさせる廉。
正紀は眉を下げ、フッと笑った。

「だったら最後まで気抜くなよ」

「おうよ!」

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