Anathema Reaper-呪いの収穫者-

『……参』

今まで単調だった少女の声が、楽しそうなものへと変化した。

それにつられ、自然と廉の口元も上がる。

「なぁ、大丈夫か?」

正紀が心配そうに声をかける。
その顔には、若干の恐怖が滲んでいた。

それに気が付かない廉は、ニカッと笑う。

「大丈夫!あとちょっとだし!」

「そ、そうか……」

それでも正紀の顔は冴えない。
彼は意味もなく銃を回した。

廉は前を見据える。
よちよち歩きの子供が、こっちに向かってきた。

廉の眉が下がる。
それを見たリュカが、彼に近寄ってきた。

「リュカ、コレも?」

「えぇ、そうよ」

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