Anathema Reaper-呪いの収穫者-

叱責される。
廉は呼吸を整え、奴に近付いた。

やはり、怖い。
この世のモノとは思えない。

「早くして。このままだと、拘束を解かれるわ」

「マジでか!!」

慌てたように鎌を構える。
何故か、鎌を持つ手が震える。

最後だから緊張しているのか、それともただ単に怖いのか。

廉は唾を飲み、鎌をギュッと握った。

相手を凝視し、鎌を振り落とす。

鎌は綺麗に相手の首に入り、鎌に掬われるように首が切り離された。

首が地面に触れた瞬間、奴は暗闇の中にスッと消えた。

「……ハァ」

廉はガックリと膝を落とし、手を床についた。
急いで正紀とリュカが彼に駆け寄る。

『……壱』

少女の声が、廉の脳内に響いた。

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