Anathema Reaper-呪いの収穫者-



鼻唄を歌いながら、夜道を歩く。

少女の脳内に、次々と首を落とされていく"彼ら"の映像が流れた。

主に黒い少年が首を刈り、残りの少年と小さな妖精が彼のサポートをしているようだ。

刈られていく度に、数字を言う。

段々と楽しくなり、声にも抑揚がついてくる。
それに比例し、動かす足も軽くなっていた。

次々と刈られていく悪魔の魂。
全ては自分に還元される。

そして、最後の悪魔の魂が彼に刈り取られた。

「……壱」

唇を舐め、指を振る。
特に何が起きる訳でもないが、彼女は楽しそうに笑った。

そして。

「……零」

彼女は目的地に着き、足を止めた。

それは――廉達が入っていった、あの廃工場だった。

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