Anathema Reaper-呪いの収穫者-
*
鼻唄を歌いながら、夜道を歩く。
少女の脳内に、次々と首を落とされていく"彼ら"の映像が流れた。
主に黒い少年が首を刈り、残りの少年と小さな妖精が彼のサポートをしているようだ。
刈られていく度に、数字を言う。
段々と楽しくなり、声にも抑揚がついてくる。
それに比例し、動かす足も軽くなっていた。
次々と刈られていく悪魔の魂。
全ては自分に還元される。
そして、最後の悪魔の魂が彼に刈り取られた。
「……壱」
唇を舐め、指を振る。
特に何が起きる訳でもないが、彼女は楽しそうに笑った。
そして。
「……零」
彼女は目的地に着き、足を止めた。
それは――廉達が入っていった、あの廃工場だった。