Anathema Reaper-呪いの収穫者-

変化、そして


部屋の一室で手をつく廉。
彼の汗が頬を伝う。
その様子を、心配そうに見ながら支えているリュカと正紀。

やがて廉は顔をあげ、汗を拭った。

「これで……終わり?」

「終わりよ」

リュカが静かに告げる。
彼は辺りを見回した。

もう、先程のような禍々しい空気は感じなかった。

「お疲れさん」

正紀がポンと廉の肩を叩く。
彼は力なく笑って頷いた。

「後は、例のカトレア嬢を倒せばいいんだけど……いるわけないか」

リュカは頬に手を当て、小さくため息をついた。
それに対し、廉は安堵のため息をついた。

そんなことをしていたら、本当に身が持たない。

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