Anathema Reaper-呪いの収穫者-
邂逅
レンの後を追いかける。
彼は二人に目もくれず、どんどんと廊下を進んでいく。
右に左に、また右に。
どれほどの角を曲がっただろうか。
レンはある部屋の前に来ると、急に足を止めた。
すかさず、正紀が彼の肩を掴む。
レンはその手を払い除けると、横目で正紀を見た。
「……何、ついてきたの?」
「悪いかよ。あんなので諦めるタマじゃねぇよ」
「勝手にすれば?いくら足掻いても無駄だけどね」
そして、彼は目の前にある大きな扉を開け、中に入っていった。
彼についていく二人。
集団作業場だったのか、やたらと部屋が広い。
外に出してしまったのか、机など何もない埃っぽい部屋。
そこに佇む、黒い影。