Anathema Reaper-呪いの収穫者-



何が起こったのかも分からない。
ただ、フラフラと水の中に浮かんでいるだけ。

廉はぼうっと目を開けた。

天井から光が差し込み、キラキラと光っている。
首を動かして辺りを見るも、一面水。
何もない。

言葉を発しようと、口を開く。
口から無数の泡が飛び出し、天井に昇っていった。

不思議と息は苦しくない。
ただ、流されているだけ。

やがて廉の頭の中に、一つの映像が流れてきた。

フードを被っている少女と対面している自分。

アレは……オレなのか?
でも、オレはここにいる。
じゃあ、アレは……レンか。
なら……何でオレはここにいる?
アレはオレの身体なのに。

廉は再び目を閉じた。

< 255 / 331 >

この作品をシェア

pagetop