Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「私はどうしても、彼女に復讐したかった。
だから、廉を見つけ出して……悪魔の魂、刈らせるようにした」

「何で……」

正紀のリュカを見つめる視線が、徐々に変わってくる。
リュカは構わず、話を続けた。

「あの子、よくも悪くも純粋だから。オマケに、善悪の区別がついている。
こんな人材……滅多にいるもんじゃないし。

カトレアだったら、絶対にあの子に目をつけると思ったのよ」

「じゃあ、廉はアンタの復讐の道具にされたってだけかよ!?」

咎めるように正紀が叫ぶ。
リュカは何も言わず、正紀から目を逸らした。

呆れて物が言えない。
そして、怒りが込み上げてくる。

正紀は両手を強く握り締めた。

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